2005.09.26
一昨日の話の後日談。
バッテリー上がりでうんともすんとも言わないRX-7。
仕方ないから、単車から直結するかと思っていた矢先、
ちょうど運悪く(?)通り掛かった同じ駐車場の住人さんに助けを求め、
何とか無事にエンジンを掛ける事が出来ました。
「…充電されるまでエンジン切れんなー」
そんな感じで、アイドリング状態で20分程ぼーーーっとしてました。
久々に窓拭いてみたりとか。
そうしたら、こちらに近づいてくる人影。
「…?」
見知った人では当然ありません。
黄色いTシャツを着た少し上の年代の方でした。
私の前までやってきて、口を開きます。
「…アンタ、さっきからエンジン掛けっぱなしでしょ。
うちすぐそこなんでうるさいんですよ!
エンジン、切ってくれませんか?
うちの嫁が具合悪くて寝てるんですよ!」
言葉は丁寧、されど、結構やる気、みたいな。
…絶句。
いや、まぁ近づいてきた瞬間に何となくそうかとは思ったんですが。
静かとは世辞にも言いかねる五次元のマフラーを積んだボロ車、
それを長い事アイドリングしていた訳です。
いかに非常時とは言え、
マシンのアイドリングは大通りに出てから
という基本動作をすっかり忘れていた自分に気付きました。
「…すっ、すみませんでした!即刻移動します!!」
謝罪もそこそこに、這々の体で車に乗り込む私。
無様です。
無様としか言いようがありません。
それが昨日の話。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
そして本日、帰途、新橋駅前の菓子屋で適当な菓子を見繕い、
それを手に昨日指し示された家のチャイムを鳴らす私がいました。
ピンポーン♪
「…はい?」
「夜分遅く(22:30くらい)に申し訳ありません、
XXX号室の猫目と申しますが、先日のお詫びに参りました。
ご主人様ですか?」
「…?」
「車です、車。」
「…あ!?…そんなのいいのに…」
「そういう訳にも参りません。
お詫びの品を買って参りましたので、是非ともお受け取り頂ければと。」
「ちょ、ちょっと待ってて。」
そんな問答を暫し、昨日のおじさん(失礼(^-^;))が顔を出しました。
開口一番、私は頭を下げます。
「昨日は私の車でご迷惑をお掛けしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
お詫びの気持ちとして、大した物ではありませんが、
これ(シュークリーム)を買って参りました。
受け取って頂けると嬉しいのですが。」
「…いや、こちらもそんな…」
相手は、と言うと、何だかぽかんとしてます。
「とんでもありません。
五月蠅いと思われるのは当然のことです。
迷惑をお掛けしたお詫びのしるし、という事で、
受け取って頂く訳には参りませんか?
さほど高価なものではありませんし、お願いします。」
立て板に水。
私は間髪入れずに捲し立てます。
おじさん、恐縮しながらも生菓子を受け取ってくれました。
私は更に付け加えます。
「ただ、決して故意で行ったのではない事だけは、
どうかご理解頂けますか?」
「うんうん」とうなずくおじさん。
更に続けます。
「今後も同じ場所に車を止め続ける訳ですから、
何かお気付きの点等ありましたら、
今回のようにお気軽に声を掛けて頂けると、
こちらとしても助かりますので、
今後ともどうかよろしくお願いします。」
おしまいに、
「本当はもっと早い時間に伺うつもりだったのですが、
仕事が終わらず、夜分遅くなってしまって申し訳ありませんでした。」
と、頭を下げると、
「遅くまでお疲れ様でした。」とおじさん。
「おやすみなさい。」
「失礼します。おやすみなさい。」
…とまぁ、そんな感じで詫びを入れに行った訳です。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
文句を言われた当日、すぐに謝って対処をしたのだから、
翌日にわざわざ謝罪などという面倒な事をする理由もない訳ですが、
以下の3つに思い至り、改めて謝罪を行ったという訳です。
理由1
打算。
今後も同じ場所を使い続ける訳です。
次が無いとも限りませんし、心証は良いに超した事はありません。
また、共同住宅という場所柄、(通常の)近隣住人に敵は作らない方が無難です。
「まぁ、あいつなら大目に見てやるか」と思わせられればベストです。
(…プライド?そんなものはありませんよ)
理由2
興味。
「(殆ど)知らない人に謝罪する時って、どんな気分がするんだろう…?」
ふと、考えてしまいました。
仕事や何かで謝る、詫びる、陳謝する、なんてのは日常茶飯事です。
が、全く損得関係のない他人に頭を下げている自分の気分というのは、
一体どんなものなのだろうか?
…腹が立つのか、悔しいのか、それとも清々しいのか、特に何も感じないのか。
と、その時の心境に興味を持ってしまった訳です。
人は「物好き」と言いますね。
理由3
ネタになる。
これが最大にして最強の理由ですかね。
毎日毎日事件も事故もなく平穏無事。
それはそれで平和なんでしょうけど、退屈なものです。
ちょっとした変化があるなら、多少面倒であろうとも、
踏み込んでみたくもなるというものです。
そんなこんなで、謝罪の味を知った猫目でした。
ちなみに、理由2の「得られた心境」としては、
…別に、普通だった
でした。
バッテリー上がりでうんともすんとも言わないRX-7。
仕方ないから、単車から直結するかと思っていた矢先、
ちょうど運悪く(?)通り掛かった同じ駐車場の住人さんに助けを求め、
何とか無事にエンジンを掛ける事が出来ました。
「…充電されるまでエンジン切れんなー」
そんな感じで、アイドリング状態で20分程ぼーーーっとしてました。
久々に窓拭いてみたりとか。
そうしたら、こちらに近づいてくる人影。
「…?」
見知った人では当然ありません。
黄色いTシャツを着た少し上の年代の方でした。
私の前までやってきて、口を開きます。
「…アンタ、さっきからエンジン掛けっぱなしでしょ。
うちすぐそこなんでうるさいんですよ!
エンジン、切ってくれませんか?
うちの嫁が具合悪くて寝てるんですよ!」
言葉は丁寧、されど、結構やる気、みたいな。
…絶句。
いや、まぁ近づいてきた瞬間に何となくそうかとは思ったんですが。
静かとは世辞にも言いかねる五次元のマフラーを積んだボロ車、
それを長い事アイドリングしていた訳です。
いかに非常時とは言え、
マシンのアイドリングは大通りに出てから
という基本動作をすっかり忘れていた自分に気付きました。
「…すっ、すみませんでした!即刻移動します!!」
謝罪もそこそこに、這々の体で車に乗り込む私。
無様です。
無様としか言いようがありません。
それが昨日の話。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
そして本日、帰途、新橋駅前の菓子屋で適当な菓子を見繕い、
それを手に昨日指し示された家のチャイムを鳴らす私がいました。
ピンポーン♪
「…はい?」
「夜分遅く(22:30くらい)に申し訳ありません、
XXX号室の猫目と申しますが、先日のお詫びに参りました。
ご主人様ですか?」
「…?」
「車です、車。」
「…あ!?…そんなのいいのに…」
「そういう訳にも参りません。
お詫びの品を買って参りましたので、是非ともお受け取り頂ければと。」
「ちょ、ちょっと待ってて。」
そんな問答を暫し、昨日のおじさん(失礼(^-^;))が顔を出しました。
開口一番、私は頭を下げます。
「昨日は私の車でご迷惑をお掛けしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
お詫びの気持ちとして、大した物ではありませんが、
これ(シュークリーム)を買って参りました。
受け取って頂けると嬉しいのですが。」
「…いや、こちらもそんな…」
相手は、と言うと、何だかぽかんとしてます。
「とんでもありません。
五月蠅いと思われるのは当然のことです。
迷惑をお掛けしたお詫びのしるし、という事で、
受け取って頂く訳には参りませんか?
さほど高価なものではありませんし、お願いします。」
立て板に水。
私は間髪入れずに捲し立てます。
おじさん、恐縮しながらも生菓子を受け取ってくれました。
私は更に付け加えます。
「ただ、決して故意で行ったのではない事だけは、
どうかご理解頂けますか?」
「うんうん」とうなずくおじさん。
更に続けます。
「今後も同じ場所に車を止め続ける訳ですから、
何かお気付きの点等ありましたら、
今回のようにお気軽に声を掛けて頂けると、
こちらとしても助かりますので、
今後ともどうかよろしくお願いします。」
おしまいに、
「本当はもっと早い時間に伺うつもりだったのですが、
仕事が終わらず、夜分遅くなってしまって申し訳ありませんでした。」
と、頭を下げると、
「遅くまでお疲れ様でした。」とおじさん。
「おやすみなさい。」
「失礼します。おやすみなさい。」
…とまぁ、そんな感じで詫びを入れに行った訳です。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
文句を言われた当日、すぐに謝って対処をしたのだから、
翌日にわざわざ謝罪などという面倒な事をする理由もない訳ですが、
以下の3つに思い至り、改めて謝罪を行ったという訳です。
理由1
打算。
今後も同じ場所を使い続ける訳です。
次が無いとも限りませんし、心証は良いに超した事はありません。
また、共同住宅という場所柄、(通常の)近隣住人に敵は作らない方が無難です。
「まぁ、あいつなら大目に見てやるか」と思わせられればベストです。
(…プライド?そんなものはありませんよ)
理由2
興味。
「(殆ど)知らない人に謝罪する時って、どんな気分がするんだろう…?」
ふと、考えてしまいました。
仕事や何かで謝る、詫びる、陳謝する、なんてのは日常茶飯事です。
が、全く損得関係のない他人に頭を下げている自分の気分というのは、
一体どんなものなのだろうか?
…腹が立つのか、悔しいのか、それとも清々しいのか、特に何も感じないのか。
と、その時の心境に興味を持ってしまった訳です。
人は「物好き」と言いますね。
理由3
ネタになる。
これが最大にして最強の理由ですかね。
毎日毎日事件も事故もなく平穏無事。
それはそれで平和なんでしょうけど、退屈なものです。
ちょっとした変化があるなら、多少面倒であろうとも、
踏み込んでみたくもなるというものです。
そんなこんなで、謝罪の味を知った猫目でした。
ちなみに、理由2の「得られた心境」としては、
…別に、普通だった
でした。
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★無題
NAME: かわさき
律儀っつうか……「昨今見かけない脅し」にとられちゃうよ~
俺だったら「何でこんな時間に?」とか「毒でも入ってんじゃ……?」とか
キミの真心(仮)を台無しにしてしまうようなことを考えてしまう。
嗚呼、汚れた心の私。
理由並べるところが、また律儀だぁね。
相手に対する律儀さと、コレ見てる人に対する律儀さと。
ちなみに私の場合、前にいたアパートでは隣の部屋へ向けて壁にグー毎日だったけど。
そしてこれから、北国では除雪を巡る冷たい戦いが春まで続きます……
「ちょっと、アンタんとこの雪でしょっ!
ウチによけないでよっ!!」
俺だったら「何でこんな時間に?」とか「毒でも入ってんじゃ……?」とか
キミの真心(仮)を台無しにしてしまうようなことを考えてしまう。
嗚呼、汚れた心の私。
理由並べるところが、また律儀だぁね。
相手に対する律儀さと、コレ見てる人に対する律儀さと。
ちなみに私の場合、前にいたアパートでは隣の部屋へ向けて壁にグー毎日だったけど。
そしてこれから、北国では除雪を巡る冷たい戦いが春まで続きます……
「ちょっと、アンタんとこの雪でしょっ!
ウチによけないでよっ!!」
★無題
NAME: 猫目
真心?
…違うんだなぁ、それが。
「ブログのネタ、無いかなぁ」
始まりはコレですもの。
で、理由3→理由2→理由1→「よし、詫びに行くか!」
となる訳ですよ。まず理由ありき。
通常なら最初の「すみませんでした!」で終わりにするんだけどね。
あと、「受け取らない」という行動も予測してなかった訳でもない。
その場合の選択肢は、、、
1.受け取ってもらえるまで頭を下げ続ける。
2.「…そですか。ショボーン」薄笑いを浮かべて立ち去る。
3.逆ギレ。「何様のつもりだ、ゴルァ!!!」
…いや、1.ですけどね、当然(^-^;)
…違うんだなぁ、それが。
「ブログのネタ、無いかなぁ」
始まりはコレですもの。
で、理由3→理由2→理由1→「よし、詫びに行くか!」
となる訳ですよ。まず理由ありき。
通常なら最初の「すみませんでした!」で終わりにするんだけどね。
あと、「受け取らない」という行動も予測してなかった訳でもない。
その場合の選択肢は、、、
1.受け取ってもらえるまで頭を下げ続ける。
2.「…そですか。ショボーン」薄笑いを浮かべて立ち去る。
3.逆ギレ。「何様のつもりだ、ゴルァ!!!」
…いや、1.ですけどね、当然(^-^;)
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